ローンには教育ローンやマイカーローン(自動車ローン)のように使い道が限定されているローンがありますが、フリーローンは借入金の使い道が自由です。カードローンに比べてフリーローンは多めに借りられる場合が多く、利便性は高いといえます。結婚資金や家電の買い換え、予期せぬ事故での不意の出費など、まとまったお金が必要なことは多々ありますから、いくらまで借りられるのかを知っておくといざというときに役立つでしょう。
いくらまで?フリーローンの借入可能額の目安
フリーローンの上限金額とは
銀行のウェブサイトを見ると「融資額は○万円~△△万円以内」と書かれているのを見たことがある人も多いでしょう。この場合、その金融機関が提供しているフリーローンでは最高△△万円まで貸し付け可能ということになりますが、誰もが上限金額まで借り入れできるという意味ではありません。
借入可能額の基準はどの金融機関も公開していませんが、一般的に申込者の収入状況および年収を元に借り入れできる上限金額の目安が決まるとされています。この金額のことを借入上限金額と言います。
加えて、申込者の信用度によっても借入可能額は増減するのが通常です。信用度とは、一般的に他の借り入れ状況や過去の返済履歴などの信用情報に基づくものです。多額の融資をすることは、融資する側の金融機関にとっては回収不能リスク、契約者にとっては返済不能リスクの増大につながります。このリスクを防止するために、銀行独自で決めたルールに基づき、申込者の返済能力に応じて借入可能額が決まる仕組みです。
有担保であれば借入可能額が高くなることも
ひとくちにフリーローンといっても、大きく分けて担保の提供が不要な「無担保型」と担保を提供する「有担保型」の2種類があります。この担保の有無によって借入可能額も増減するのが通常です。
担保の対象としては土地や建物などの不動産となっているのが一般的で、不動産を担保に貸し付けを行うフリーローンを「不動産担保ローン」と呼んでいる金融機関もあります。
申込者の返済能力に応じて借入可能額が決められるのは無担保型でも有担保型でも同じです。しかし、万が一返済困難な状況に陥ることになっても、担保として提供した物件を返済に充てることができるため、有担保型の方が回収不能リスク(返済不能リスク)は低減します。そのため、担保価値および申込者の年収によって借入可能額が個々に決められますが、同じフリーローンでも担保を提供する有担保型では、通常、無担保型に比べて借入可能額が多くなります。また、有担保型のローンは無担保型のローンに比べて金利が低めに設定されるメリットもあります。
追加融資や増額はできない
フリーローンは一旦契約して融資を受けると、その後に追加で借り入れしたり、借入金額を増額したりすることはできません。というのも、フリーローンでは「証書貸付」という借入形態がとられるためです。証書貸付とは、契約時に借入金額、返済期間、返済方法などの貸付条件が借用証書で決められる形態の融資です。
そのため、融資を受けた後に借入金額の増額が必要になる場合には、既に借入をしたフリーローン契約とは別に、新たに別のローン契約を申込まなくてはなりません。もし増額の必要性が生じた際には手間がかかる反面、一般的に借りた後は返済していくだけとなるため、借入金額が増えたり使いすぎたりするリスクが抑えられるところがメリットです。
フリーローンの選び方
フリーローンは銀行、信用金庫、JAというように多くの金融機関が提供しており、銀行にいたっては、ほぼすべての銀行が取り扱いをしているほどです。フリーローン商品の仕組みがどの金融機関でも同じだとしても、借入可能額に関する基準はもちろん、利用者にとって借りやすさや利便性はそれぞれに違います。自分の必要性や返済能力に合わせて最適なフリーローンを選ぶようにしたいものです。
申込条件
各金融機関が設定しているフリーローンの申込条件に当てはまらなければフリーローンは利用できません。申込条件の設定の仕方は金融機関により異なりますから、まずは自分に適しているか確認してみましょう。たとえば、収入条件に関していえば、安定収入があることはどの金融機関も同じですが、金融機関によっては「前年度年収が200万円以上」などと収入の条件を明記しているところもあります。
金利
無理なく返済していくためには、できる限り金利の低いフリーローンを選ぶようにしたいものです。借入期間や返済回数、ボーナス時返済の有無によっても利息を含めた返済総額が変わりますが、金利が低いほど返済総額が少なくなるのが通常です。
仮に100万円を借り入れし、返済期間が5年間だとすると、金利が4%の場合の総利息額は105,020円ですが、3%なら78,140円となり、26,880円も変わります。借入金額が大きいほど、また完済までの期間が長いほど利息額は膨らむので、金利条件のいいローンを選ぶとともに、無理のない範囲で借入金額や返済期間を調整しながら上手に返済計画を立てていきましょう。
担保有無
担保があるのと無いのとでは、担保があるほうが返済能力は高いと判断される傾向にあります。担保価値によって借入可能額は変動しますが、無担保型よりも高めに設定されたり、審査に比較的通りやすくなったりする傾向もあるようです。また、有担保型のフリーローンでは無担保型に比べて一般的に金利条件が良くなります。担保価値の評価に時間がかかることから、申込みから融資までの時間が無担保型よりも数日多めにかかる場合がほとんどですが、借り入れを急いでいない場合にはフリーローンのなかでも低金利な有担保型を選ぶといいでしょう。
手数料・費用
金融機関によってフリーローンの取り扱いに手数料や諸費用がかかるところと、かからないところがあります。手数料がかかる場合の金額はそれぞれですが、2,000円~3,000円程度とする金融機関が多いようです。仮に金利が低めでも手数料がかかって負担総額が増えてしまわないよう、手数料や諸費用についても複数のフリーローンで比較検討してみましょう。
繰上返済手数料
できるだけ返済負担を低減させるためにも余裕資金ができたときには繰り上げ返済をすることが望まれますが、フリーローンでは繰上返済手数料を必要とする金融機関が多いようです。繰上返済手数料の金額はそれぞれですが、なかには繰り上げ返済の都度5,000円程度の手数料を徴収されるところもあるようです。返済負担を低減させるための繰り上げ返済で多額の手数料がかかるのでは、繰り上げ返済したくてもできなくなる可能性があります。完済までの返済計画のなかで繰り上げ返済も検討したい人は、手数料の有無や金額を考慮した上で選ぶようにしましょう。
低金利なフリーローン
フリーローンの選び方のひとつに金利がありました。ローンを借り入れする上で金利は大切な要素なので、フリーローンの金利についても知っておきましょう。
実際に適用される金利は借り入れする金額や金融機関によっても変わりますが、一般的にフリーローンの金利はカードローンの金利に比べて低めに設定されているところが多いようです。というのも、フリーローンはカードローンよりも借入可能額が高く設定されている場合が大半で、ローンの金利は借入金額が大きいほど低くなる仕組みだからです。
とはいえ、フリーローンの金利設定方法は金融機関にもよります。変動金利か固定金利かで異なりますが、固定金利の場合では、一般的に借入金額に応じた複数の段階金利を設けているところが多いようです。
まとめ
使い道が自由なローンのなかでもフリーローンは借入可能額が高めで、金利が低めという特徴があるローンです。借入可能額の決まり方は金融機関ごとに独自の基準が設定されており、公開されていませんが、一般的にローン申込者の収入状況や年収、信用度などによって決まります。信用度が高くなるほど借入可能額も高まるのが通常で、不動産を担保に提供する有担保型のフリーローンでは、無担保型のものに比べて借入可能額が大きくなります。
また、借入金額が大きくなるほど金利が下がる傾向があり、カードローンやクレジットカードのキャッシングに比べてフリーローンのほうが金利は低く設定されている場合がほとんどです。カードローンやクレジットカードのキャッシングとは異なり、追加融資や増額の申込みができない証書貸付型の借り入れですから使いすぎを防げるメリットがあります。フリーローンを選ぶときには、このような特徴やメリットを最大限に活かせるように、金利はもちろんフリーローンの利用にかかる手数料、繰り上げ返済時の手数料もしっかり確認しておきましょう。さまざまなフリーローンを比較しながら最適なローンを選び、しっかりとした返済計画を立てた上で利用するようにしてください。
気になるフリーローンを徹底比較!「イー・ローン」
フリーローンの選び方の基準をいくつか見てきましたが、さまざまな金融機関のフリーローンを比較検討しながら総合的に自分に適するローンを選ぶのがおすすめです。しかし、前述したようにほとんどの銀行が取り扱っているのに加え、信用金庫やJAなどすべての金融機関のフリーローンも比較するのは大変な作業です。
そこで、日本最大級のローンデータベースを保有するポータルサイト、イー・ローンを利用してみましょう。金融機関の種類や金利、借入可能額など自分が最も重視したいポイントを絞って簡単に検索することが可能です。重視する条件を少しずつ変えながら検索していくことで、多数のフリーローンのなかから自分に最適なローンを見つけることができるでしょう。
また、イー・ローンでは、さまざまな視点からチェックすることができるランキングを発表しています。「総合」「実質年率」「アクセス数」「申込数」それぞれにランキングをチェックしてみてはいかがでしょうか。
文/續 恵美子