FPが解説!ローンのあれこれ!誰もが気になるローンのあれやこれや
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ローンを検討するにあたり、誰もが気になる審査や金利のことなど・・。数あるローンの中から賢くローンを選ぶにあたり、ポイントをファイナンシャル・プランナーが分かりやすく丁寧に説明します!これを読めば、きっとあなたもローンの達人・・!?

第35回 カードローンの金利の仕組みと利息の計算方法について (2020年02月26日)

大きな電卓をもったスーツの女性の画像

カードローンの利用を検討している人が気にしておいた方がいいのは、金利です。スムーズにお金を用立てできるカードローンは、使い方によっては家計の頼もしい味方になってくれます。しかし、お金を借り入れする以上、利息を付けて返済しなければなりません。利息の仕組みを理解せず、返済総額が増えてしまうようではむしろ家計の敵です。しっかり返済計画を立てられるよう、カードローンの金利の仕組みと利息の計算方法について知っておきましょう。

カードローンの金利

植物と電卓、ブタの貯金箱の画像

金利は、カードローンなどの借り入れ以外にも銀行の預貯金などでも表示されています。お金の貸し借りをすると、その期間によって利息がかかりますが、このときの元金に対する利息の割合が金利です。

例えば、銀行の定期預金に100万円を預けるときの預金金利が年0.01%だとしたら、1年後に利息が100円(税引き前)つきます。これは預金者が銀行にお金を貸していることに対する使用料として元金に100円を付与してくれるということです。カードローンをはじめとした借り入れでは、利息の払い手が銀行(あるいはカードローン会社など)ではなくローンを借り入れした人になりますが、考え方としては同様です。

整理すると、金利は借り入れしたお金に追加して支払う金額(利息)の割合のことで、一般的に「年○%」で表されます。そして、利息は借り入れ元金に金利をかけて算出された金額のことです。計算式で表すと、次のような関係が成り立ちます。

元金(円)×金利(%)=利息(円)

なお、「利息」と「利子」という言葉がありますが、実はこれらの違いを示す明確な定義はありません。しかし慣用的には、銀行などの金融機関が預金者に払うか、契約者が金融機関に払うかという違いで分けられています。支払うものを「利子」受け取るものを「利息」と呼ぶケースが多いようですが、ローンにおいては「利息」と「利子」が同じ意味で使われる傾向があります。

また、カードローンの金利表記では「実質年率」という言葉が主に使われています。実質年率とは、手数料や保証料など諸費用も加えた金利のことです。金融機関によっては、月々の返済元金+利息に加えて、「手数料や保証料なども含めているところ」「手数料や保証料などは不要なところ」などがあります。

しかし、消費者信用の融資費用については原則として実質年率を表示することが法律などで義務づけられています。なお、実質年率の表示がない場合には利息以外にかかる融資費用の内容とその金額(または率)がすべて明確に記載されていなければなりません。その場合は、単に金利だけではなく諸費用も含めて割高になっていないか確認するようにしましょう。

カードローンの金利の仕組み

ひとくちに金利といっても、「日利」「月利」「年利」のようにさまざまです。利息は、上記した計算式のように「○%」と表示されている金利を元本にかけて利息額を計算します。金利は、特に断りのない限り「年利」で表すのが一般的です。元金を1年間借り入れした場合の利息額という計算の仕方をします。

しかしながら、実際に借り入れした場合、返済するまでの利息は日割りで発生します。そこで、カードローンの利息を計算する場合には、上の計算式に加えて次の計算式を覚えておくようにしましょう。

借入残高(円)×実質年率(%)×日数÷365日=1回あたりの利息(円)

例えば、10万円借り入れして実質年率が18%、30日後に返済する場合の利息は1,479円となります。

10万円×18%×30日÷365日=1,479円(円未満の端数切り捨て。以下計算式において同様)

なお、4年に1度あるうるう年の場合は、365日に替えて366日で計算します。

借入金額によって融資金利が前後する

カードローンの実質年率を見ると「○%~△%」というように、幅を持たせた表示がされていることに気づいた人も多いのではないでしょうか。これは、同じ金融機関の同じカードローン商品を利用する場合でも、借入金額によって適用される金利に幅があることを表しています。

一般的には、借入金額が大きいほど低い金利、借入金額が小さいほど高い金利が適用されます。ただし、借り入れする人の信用情報などによっても適用金利が異なりますので、一概に借入金額の大小だけですべての金利が決まるものではないことは知っておきましょう。

特に、初めてカードローンを利用する場合には、表示されている低いほうの数値に目を引かれてしまう人が多いようです。しかし、借り入れしてもきちんと返済できるかどうかを検討する際には、低いほうの金利ではなく高いほうの金利でシミュレーションしたうえで検討するのが安心です。

カードローンの遅延損害金の上限金利

遅延損害金の上限金利とは

万が一、カードローンの返済が遅れた場合、遅延損害金の支払いを求められてしまいます。この遅延損害金は支払いすべきだった金額に対し、遅延日数分の日割りで計算され、返済額に加えて支払わなければなりません。

遅延損害金の取り扱いは金融機関によって異なる場合がありますが、遅延損害金にかかる上限金利は年20%を超えてはならないことが利息制限法で定められています。そのため、これに準じて遅延損害金の金利を年20%としているところが多い傾向です。

例えば、10万円の借り入れを約定どおり30日後に支払いできず、5日間遅れて支払ったときの計算は次のようになります。(実質年率18%、遅延損害金 年20%の場合)

10万円×20%×5日÷365日=273円

約定返済分の元金10万円と利息分1,479円に加え、遅延損害金273円を足した10万1,752円を支払うことが必要です。

早く返済したほうが支払う金額が少なくなる

利息も遅延損害金も日割りで計算して課されます。そのため、借り入れから返済までの日数が増えれば増えるほど支払額も増加していくのが特徴です。例えば、先の借り入れの例で遅延日数の違いによる遅延損害金の違いを見てみましょう。

  • 5日遅延
    10万円×20%×5日÷365日=273円
  • 10日遅延
    10万円×20%×10日÷365日=547円
  • 15日遅延
    10万円×20%×15日÷365日=821円

このように、約定返済が遅れれば遅れるほど遅延損害金が増えていきます。そのため、できるだけ早期の返済を心がけるようにしてください。

カードローンの返済における計算方法とシミュレーション

PCを使用しているスーツの男性の画像

カードローンの返済における返済方式には「元利定額リボルビング方式」「元金定額リボルビング方式」「元利定率リボルビング方式」および「元金定率リボルビング方式」があります。どの返済方式かによって毎月の返済額および借入残高の減り方が変わってきます。
ここでは、カードローンの返済方式として用いられることの多い「残高スライド元利定額リボルビング方式」の計算の仕組みについて見てみましょう。

基本となる「元利定額リボルビング方式」は、利用件数・金額に関わらず毎月支払う金額が一定しており、その一定額の内訳が「元本金額+利息 (手数料)」である方式です。しかしながら、カードローンでは返済期間中に追加で借り入れしたり、余裕資金があるときに一部繰り上げ返済を行ったりする場合がよくあり、毎回の借入残高は増えたり減ったりします。そのときの借入残高に応じて約定金額が変わる(スライドする)のが「残高スライド元利定額リボルビング方式」です。

9月に10万円を借り入れ、10月より返済開始。11月の支払日の翌日に5万円追加借り入れ。実質年率15%の場合(当シミュレーションでは借り入れから初回返済までの日数を30日、各月の返済日までの間隔を30日とします)。

毎回の約定金額は次の通りとします。

  • 借入残高が10万円まで:4,000円
  • 借入残高が10万円超20万円まで:8,000円
10月 11月 12月
借入残高 10万円 9万7,232円 14万4,430円
返済額 4,000円 4,000円 8,000円
うち元金充当分 2,768円 2,802円 6,220円
うち利息分 1,232円 1,198円 1,780円
返済後の借入残高 9万7,232円 9万4,430円 13万8,210円
10月返済分に含まれる利息額:10万円×15%×30日÷365日=1,232円
10月返済分に含まれる元金返済分:4,000円-1,232円=2,768円
10月返済分:2,768円+1,232円=4,000円
10月分返済後の借入残高:10万円-2,768円=9万7,232円
11月返済分に含まれる利息額:9万7,232円×15%×30日÷365日=1,198円
11月返済分に含まれる元金返済分:4,000円-1,198円=2,802円
11月返済分:2,802円+1,198円=4,000円
11月分返済後の借入残高:9万7,232円-2,892円=9万4,430円
追加借入後の残高:9万4,430円+5万円=14万4,430円
12月返済分に含まれる利息額:14万4,430円×15%×30日÷365日=1,780円
12月返済分に含まれる元金返済分:8,000円-1,780円=6,220円
12月返済分:6,220円+1,780円=8,000円
12月分返済後の借入残高:14万4,430円-6,220円=13万8,210円

残高により決められた約定金額を返済するため、ある程度返済管理がしやすいのが特徴です。一方で、追加で借りることによりなかなか完済が進んでいきません。このケースで、9月に10万円、11月に5万円を借り入れした後は追加で借り入れしないものとしてシミュレーションすると、返済回数は39回、借り入れ合計額15万円に対し、返済総額は18万3,144円になる計算です。

実際には金融機関によって残高ごとの約定金額が異なり、約定金額の大小によっては返済回数および返済総額も変わることは知っておきましょう。なお、完済を早めたい場合には追加で借りない、できるだけ繰り上げ返済をする、などの心がけが必要です。

まとめ

カードローンを利用すると利息を付けて返済しなければなりません。カードローンの利息は日割りで計算されるため、返済期間が長引くほど利息の金額が増えていきます。無理なく返済していくためにも金利と利息計算の仕組みは借り入れする前にしっかりと押さえておきましょう。できるだけ支払総額を抑え、完済を早めるためにはローン選びはもちろん、余裕資金があるときに繰り上げ返済することも考えておきましょう。

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カードローンを利用する際には無理なく返済していけるだけの金額を借り入れすることが大切です。金利の大小はもちろん、返済方式によっても毎回の返済額が変わり、毎回の返済額が変わればトータルで支払う金額も変わってきます。カードローンの利用を検討する際にはこれらの違いをしっかり確認し、自分がきちんと返していけるローンを選ぶことが大切です。

カードローンの情報は、さまざまな金融機関のカードローンを一度に検索できるポータルサイトを利用するのが便利です。「イー・ローン」のカードローン総合ランキングでは、カンタンにカードローンの比較を行うことができます。カードローンの利用を検討している人は、ぜひ契約する前にランキングを確認してみましょう。

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文/續 恵美子