教育ローンを利用しようとするときに気になるのは、「金利」ではないでしょうか。金利にもさまざまな種類があるので、「金利が低い」ことだけに着目し、後悔することがないようにしたいものです。ローンを利用する際は、金利の種類やメリットとデメリットについて押さえておくことをおすすめします。
今回は、教育ローンにおける固定金利と変動金利の選び方や注意したいポイントについて紹介していきます。最適な教育ローン選びの参考にしてください。
教育ローンとは
教育ローンは、高校や大学等の入学資金・授業料から各種専門学校にかかる費用までを広く取り扱う目的別ローンの1つです。大きく分けると国の教育ローンと銀行等民間金融機関で取り扱う教育ローンがあります。
国の教育ローン
国の教育ローンでよく知られている日本政策金融公庫の融資制度。連帯保証人(1名以上)または教育資金融資保証基金の保証が必要になるなど、民間の金融機関とは異なる部分も多いので、申込みの際にはよく確認しましょう。
民間の教育ローン
多くの金融機関で取り扱っており、金利も金融機関ごとに異なります。無担保、無保証人の教育ローンが一般的ですが、例えば医学部の授業料や留学費用等教育資金が多額となる場合は、融資限度額の大きい有担保型の教育ローンを取り扱う金融機関もあります。
入学時期に合わせた低金利のキャンペーンや、取引実績によって優遇金利を設けるなど、金融機関によってさまざまなタイプの商品があることが特徴です。
教育ローンの金利
教育ローンの金利の種類
教育ローンには、国の教育ローンと民間の教育ローンがあります。国の教育ローンの金利は固定金利ですが、民間の教育ローンは固定金利と変動金利の2種類です。ここでは、民間の教育ローンの金利についてご紹介していきます。一般的な目安となりますが、金利相場についても参考にしてください。
固定金利
固定金利は、その名の通り、返済が終わるまで金利が一定となり途中で変わることはありません。金融機関から借り入れできる教育ローンの金利相場は以下が目安です。
(金利相場)年約2%後半~5%
変動金利
変動金利は、景気動向によって金利が変動します。金融機関独自に短期プライムレート等に連動する一定の基準によって金利を決定し、年に2回基準金利の見直しを行うのが一般的です。
(金利相場)年約1%後半~4%
変動金利しか取り扱わない金融機関もあれば、固定金利のみの金融機関、固定金利と変動金利を選択できる金融機関もあり、商品内容はさまざまです。教育ローンは、金融機関ごとに商品内容や金利設定が異なります。一般的には金利変動リスクの少ない固定金利のほうが変動金利よりも金利が高くなる傾向です。そのため、金融機関選びは慎重に行う必要があります。
また、変動金利は、たとえ契約時の金利が低金利だとしても将来の金利を約束するものではありません。長期のローンを組むときに、うっかり「低金利」に目を奪われて契約し、数年後金利が上昇してしまうというケースもあるため注意が必要です。なお、固定金利を選択したとしても、景気動向や金利情勢によっては変動金利よりも高い金利のまま返済が終わってしまうこともあります。
教育ローンの固定金利
教育ローンを固定金利で利用する場合のメリットやデメリットについて確認してみましょう。
教育ローンの固定金利
変動金利型の教育ローンのみを取り扱う金融機関が多い傾向ですが、教育ローン利用者側からすると固定金利を希望するニーズも少なくありません。しかし、金融機関にとっては固定金利の場合、市場金利が上昇したときの金利変動リスクが発生します。変動金利であれば、市場金利の上昇に合わせて基準金利を変更することができますが、固定金利の場合は返済終了まで金利の変更はできません。そういった背景があるため、金融機関は変動金利よりも固定金利を比較的高くする傾向です。
教育ローンの固定金利の相場やメリット・デメリット
固定金利の最大のメリットは、なんといっても毎月の返済が最終返済まで一定で、返済計画が立てやすいことです。借り入れから返済終了まで金利が固定されるので、金利上昇により毎月の返済金額が増加する心配はありません。
- 金利相場:年約2%後半~5%
- (メリット)
低金利の固定金利で契約できれば、支払総額が抑えられる
将来の景気動向や市場金利の動向を気にすることなく、当初の契約金利が適用されるのが特徴です。低金利で契約ができれば、市場金利が上昇しても影響を受けないため、結果的に支払総額が抑えられることになります。 - (デメリット)
返済終了まで金利情勢が変動しなかったとき、変動金利よりも支払利息が多い
変動金利よりも固定金利を高く設定する金融機関が多いことから、金利が下がったり横ばいだったりしたとき、支払利息が変動金利よりも多くなることがあります。
教育ローンの変動金利
次に、変動金利についてのメリットやデメリットについて見てみましょう。
教育ローンの変動金利
低金利の金利情勢の場合は、金利の低い変動金利型の教育ローンが魅力的です。金融機関は、それぞれに独自の基準で基準金利の見直しを行って金利を変更します。市場金利が変動すれば金利を変更できることもあり、景気動向や金利情勢に合わせた低金利の教育ローンを提供することができるのです。
教育ローンの変動金利の相場やメリットとデメリット
一般的に変動金利型の場合は、固定金利型に比べて金利が低い傾向にあるのが最大のメリットです。低い金利のときには、毎月の返済金額の支払いや完済までの支払総額を抑えることができます。
借入期間が短ければ、金利が低いほど返済金額に占める元金の割合が高くなり、その分元金を早く減らすことが可能です。金利は、元金に対して計算されるので、返済が進み元金が少なくなっていれば、多少金利が上がってもそれほど大きな影響を受けません。
- 金利相場:年約1%後半~4%
- (メリット)
固定金利に比べて低金利 現在は低金利水準なので、変動金利型の教育ローンなら低金利で借り入れすることができます。 - (デメリット)
金利が大きく上昇すると固定金利よりも高くなることがある 金利情勢が変動して金利が上昇すると、固定金利型の教育ローンよりも金利が高くなる可能性があります。
金利で選ぶ教育ローン
固定金利か変動金利か(教育ローンを金利で選ぶ上での注意点)
現在の低金利の金利情勢を考えると、比較的短い返済期間なら金利変動リスクの影響を受ける可能性が低くなるため変動金利が有利です。しかし、残念ながら将来の金利を正確に予測することは誰にもできません。そのため、確実にどちらがよいかということは一概にはいえないのです。
リスクを軽減するポイント
- 借入期間を短くする
- 頭金を入れて借り入れ金額をできるだけ少なくする
- まとまった金額を繰り上げ返済する
借入期間が短いほど金利変動リスクは少なくなるので、頭金が用意できる方はローンの返済期間を短くして、低金利の金利情勢のメリットを最大限に生かすことも検討しましょう。どうしても多額の教育資金を必要とする方は、借入期間が長くなるようなら将来の金利上昇リスクを考慮して固定金利を選択するのも1つの方法です。
借り入れ時の家計が厳しく返済負担を減らしたい場合は、金利の安い変動金利でローンを組み、資金に余裕ができたら繰り上げ返済をして、金利負担の軽減や返済期間の短縮をするという方法も検討しましょう。ただし、繰り上げ返済をする場合に手数料がかかる金融機関もありますので、その点も踏まえた上でどちらを選択するかを検討することがおすすめです。
金利優遇
キャンペーンや取引実績に応じて金利を引き下げる金融機関も多い傾向ですが、以下のような条件がポイントとなります。
- 同じ金融機関で給与振り込み設定がされている
- 同じ金融機関で住宅ローンやカードローンなどの利用実績がある
- 期間限定のキャンペーンを行っている
- Web利用による申込み
金融機関としてはたくさんの取引がある利用者に対して、金利優遇等の特典がある傾向です。せっかく利用するのであれば、お得な教育ローンを見逃さずに探したいものですね。そのためには、金融機関の事前リサーチは欠かすことができません。
教育ローンの選び方「イー・ローン」のランキング
教育ローンの金利は、「固定金利」と「変動金利」の2種類です。金融機関にとって金利は、収益に与える影響が大きく返済期間が10年以内と比較的長いこともあって、金利変動リスクを重要視しています。そのため、固定金利は一般的に変動金利よりも比較的金利が高い傾向です。
「変動金利と固定金利のどちらが有利か」は、さまざまな要素が入り組んでいるため一概に判断することはできません。金利が低いからと変動金利を選択しても、結果的に固定金利よりも金利が高くなってしまう可能性があります。ただ、目安として借入期間を短くするなら金利の低い変動金利、借入期間を長くするなら固定金利を選択するのもリスク軽減の方法の1つです。
教育ローンの金利は、金融機関ごとで異なります。また、教育ローンを利用する金融機関との取引実績や期間限定のキャンペーン等で金利が優遇されるケースもあるため、お得な情報も見逃さずに探したいものです。
そこで、教育ローンの事前リサーチをする場合は、イー・ローンの「教育ローン総合ランキング」の活用をおすすめします。日本最大級のローンデータベースから金利情報やキャンペーン情報まで簡単に検索することが可能です。教育ローンを検討している人は、金融機関の商品を比較する際、ぜひ一度利用してみましょう。
文/加治 直樹