FPが解説!ローンのあれこれ!誰もが気になるローンのあれやこれや
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ローンを検討するにあたり、誰もが気になる審査や金利のことなど・・。数あるローンの中から賢くローンを選ぶにあたり、ポイントをファイナンシャル・プランナーが分かりやすく丁寧に説明します!これを読めば、きっとあなたもローンの達人・・!?

第23回 おまとめローンとは?メリットとデメリットとおまとめローンに向いている人について解説 (2019年11月22日)

PCが乗っている机のそばで男性と女性が床に座っている画像

お金が必要なときはなぜか重なるもので、ローンを利用していくうちに、借りているローンの数がどんどん増えてしまうことがあります。ローンを利用する以上、すべての返済を滞りなくできるような管理が必要でしょう。しかし、返済日や返済方法が異なる複数のローンを管理するのに労力的、経済的そして精神的にも大きな負担を感じている人も少なくありません。
そんなときは、おまとめローンを利用するのも1つの方法です。ただ、メリット・デメリットがあるため、これらをきちんと理解したうえで利用を検討してみましょう。

おまとめローンとは

電卓とカレンダーの画像

一般的に、おまとめローンとは、複数のローンを1つにまとめられるローンのことをいいます。例えば、現在A社(100万円)、B社(70万円)、C社(30万円)の3社で返済中のカードローンがあるとしましょう。それを、D社のおまとめローンで3社の残高合計分200万円をまとめて借り入れし直し、A社、B社、C社の残高を全額返済します。その後にD社1本のローンを返済していくという仕組みです。
1本にまとめることで返済管理がしやすくなることに加え、既存ローンおよび新たに借り入れるおまとめローンの金利条件によっては、返済合計額が軽減される可能性もあります。

借り換えローンとの違い

新たにローンを借り直すという点ではカードローンの「借り換え」もありますが、おまとめローンに似ているようで異なる点がいくつかあります。

どちらも新たなローンに切り替えをするという意味では同様ですが、おまとめローンは複数のローンを1つのローンにまとめる仕組みです。一方、借り換えローンは1つのローンを別の1つのローンに借り直す方法です。

また、おまとめローンはこれまで返済日や返済額がバラバラだった複数のローンを1つにまとめることで、返済の効率化を図るのが主な目的です。一方、借り換えローンでは金利等これまでより条件が良いローンにすることで、月々の返済額や総返済額を減らすことを主目的としています。

そして、両者の最も大きな違いといえるのが、新たにローンを借り直した後に、追加で借り入れができるかどうかの可否です。カードローンは、貸付上限額の範囲内で何度でも借り入れすることができます。しかし、おまとめローンは最初にまとまった金額を借り入れて、その後は返済していくだけのいわゆる返済専用のローンです。

これらの違いを知って、自分の借り入れ状況や目的に応じて適する方法を選ぶようにしましょう。

おまとめローンの種類

ひとくちにおまとめローンといっても、貸し付けをする金融機関やローンの商品内容によっていくつかの種類に分けることができます。それぞれの特徴を確認しておきましょう。

  • 銀行のおまとめローン
    おまとめローンは、基本的に使い道が自由なローンです。また、おまとめローンの特徴としては複数のローンを1つにまとめることといえます。他行・他業種のローンを自行に借り換えてもらうことを貸付条件の1つとしているケースも多いようです。そのため、通常のカードローンに比べ、融資限度額を高めに設定しています。
  • 消費者金融のおまとめ専用ローン
    消費者金融系のおまとめローンでは、おまとめ前の既存ローンとして消費者金融からの借り入れ、およびクレジットカードのキャッシングを対象にしています。既存ローンが銀行のカードローンの場合はおまとめ対象外となるため利用できません。また、クレジットカード利用分でもショッピング利用の返済に充てることはできません。申込み前に、これらの条件をしっかり確認しておきましょう。

おまとめローンのメリットとデメリットとは

エプロンの女性が手を広げている画像

おまとめローンにはメリットもデメリットもあります。両方しっかり確認してから利用を検討するようにしましょう。

メリット

  • 金利や毎月の返済額を減らすことができる
    現在返済中のローンの金利よりも低い金利のおまとめローンを利用することで、支払うべき利息総額が少なくなる可能性があります。借入金額、借入期間等によって支払利息総額が変わるため、どのぐらいかは一概にはいえません。
    しかし、一般的には金利が低くなることで毎月の返済額や総返済額が小さくなることが期待できます。また、複数のローンをまとめるといっても新たにローンを組み直すことになりますから、借入期間、つまり返済回数を新しく設定し直すことになります。家計の状況に合わせて、月々の返済額を今よりも低く設定することも可能となります。
  • 返済日や返済先をまとめることができる(管理しやすい)
    複数のローンを1つにまとめることで、これまでバラバラだった返済日や返済額が管理しやすくなります。借り入れしている金融機関によっては、その金融機関にある口座からの引き落としに限定されている場合も少なくありません。返済先が複数になると、引き落とし日前までに各返済用口座へ返済額を入金しておくのは案外手間がかかるものです。その点、ローンをまとめてしまえば、こうした管理の煩雑さが軽減されます。
  • 金利を低く抑えることができる
    少額のローンを複数借り入れするよりも、まとめて多めに借り入れするほうがより低い金利を期待できます。なぜなら、利息制限法で決められている上限金利の関係もあってカードローンの金利は借入金額が少ないほど高くなり、借入金額が多いほど低くなるのが一般的だからです。
    例えば、借入金額が10万円未満は上限金利が年20%、10万円以上100万円未満は年18%ですが、100万円以上になると上限金利は15%になります。仮に、数十万円ずつ複数のローンを組み、総額100万円の借り入れをする場合、各ローンの上限金利は18%になります。 ですが、1つのローンで100万円借り入れをすれば、上限金利は15%と低くなるのです。実際の借入金利は審査によっても変わりますが、元々表示されている金利が既存ローンより低いものを選ぶことで利息負担軽減につながります。
  • 証書貸付型で安心
    おまとめローンは、契約時に借入金額、返済期間、返済方法等の貸付条件が金銭消費貸借契約証書で決められる「証書貸付」です。これは、貸付上限額の範囲内で何度でも借り入れすることができるカードローンとは違い、借りた後は残高が減っていくだけで、また増える心配や使い過ぎの心配がありません。カードローンタイプで、返済と借り入れを繰り返して借入残高が減らなかった人には大きなメリットといえるでしょう。

デメリット

  • 審査が厳しい
    おまとめローンは、複数のローンの借入残高をまとめることになるため、借入金額が大きくなるのが一般的です。そのため、借入金額が高くなるほど審査のハードルが高くなる傾向があります。なお、複数のローンがあるということは、多重債務者と見られかねないことも心得ておきましょう。多重債務者と見なされれば今後返済を履行していくうえで不安を持たれてしまう可能性があります。
    また、既存のローンに消費者金融系のものが多ければ、「以前の借入時には銀行ローンが利用できなかったのでは?」と疑いを持たれることも考えられます。そうなった場合、審査はより厳しくなるというケースがあります。

おまとめローンの審査で必要な書類と審査基準

ほかのローン同様に、おまとめローンもまずは審査に通らなければ利用できません。スムーズな利用につながるよう、審査申込みの際に必要な書類と審査基準を知っておきましょう。

おまとめローンの審査で必要な書類

  • 本人確認書類
    申込者本人の氏名・現住所・生年月日が確認できる有効期限内の書類が必要です。具体的に本人確認書類とは「運転免許証」「健康保険証」「個人番号カード」「パスポート」等で、銀行によっては「顔写真つき」のものに限定しているところもあります。
  • 収入証明書
    前年所得の分かる書類が必要です。会社員の人は「源泉徴収票」、それ以外の人は「住民税決定通知書または課税証明書」「納税証明書」「確定申告書」等が必要です。
  • 他社借入書類
    おまとめする既存ローンの返済状況が分かる返済明細書や契約書等の書類が必要です。
  • 銀行の口座番号、銀行口座の届出印
    おまとめローンを契約する銀行の口座番号および届出印が必要です。利用する銀行に口座がない場合は、契約時に普通預金口座の開設が必要になります。

おまとめローンの審査基準

おまとめローンの審査基準は、どの金融機関も公表していませんが一般的に考えられるのは次のような基準です。

  • 年齢
    金融機関によって異なりますが、申込時年齢が満20歳以上あること、最高年齢は69歳未満とするところや75歳とするところなどさまざまです。おまとめローンは完済が目的ですから、完済時年齢も重要な基準になり得ます。
  • 勤務先、雇用形態、勤続年数、年収
    月々の返済が問題なくできるかを確認するために、「勤務先」「雇用形態」「勤続年数」「年収」等をチェックしていきます。
  • 家族構成、居住形態
    独身か既婚か、子どもの有無や年齢、家族構成、賃貸か持ち家かの居住形態によっても可処分所得や信用度が異なります。一般的には、賃貸よりも持ち家のほうが信用度は高くなる傾向ですが、住宅ローンの返済状況が家計を圧迫しているような状態の場合は、逆に返済能力を問われることにもなりかねません。
  • 他社借入件数、借入総額
    おまとめローンは他行の借り入れをまとめることから、ほかで借り入れしている件数や総額についても審査されます。申込みの際に現状の借入状況について記載しますが、個人信用情報機関に登録されている借入情報と照らし合わせて虚偽の申告がないかといったことも確認されるのが一般的です。虚偽で借り入れを増やそうとしたり、逆に減らそうとしたりすると審査は通りにくくなるでしょう。なお、まとめるローン以外の借入状況も審査されると心得ておきましょう。例えば、ある金融機関のおまとめローンでは、「銀行の消費性ローン債務やショッピングリボ債務」も審査する旨を述べています。

おまとめローンはこんな人におすすめ!

審査に通過することが前提ですが、おまとめローンの利用は以下のような人に向いています。

複数社から借り入れをしている人

ローンの返済に限らず、公共料金の支払いや家賃、保険料の支払い等、1ヵ月の口座からの引き落とし件数が多くなるほど、事前に口座残高を確認する頻度が増えてわずらわしくなるものです。カードローンが複数ある場合、約定返済日や返済額が異なるなど、返済管理はより煩雑になりやすく、うっかり返済を忘れてしまうこともあるかもしれません。このようなリスクを下げられることから、複数社から借り入れしている人はおまとめローンが向いているといえるでしょう。

毎月の返済額が多くて困っている人

より金利条件の良いローン商品に借り換えたり、おまとめローン借入時の返済計画を見直したりすることで月々の返済額を低減させることが可能です。現状の返済で毎月の家計が圧迫して困っているような人は、おまとめローンがおすすめといえます。ただし、月々の返済額は少なくなっても返済期間が長くなるほど総返済額が多くなることには注意してください。

おまとめローンの選び方 「イー・ローン」のランキング

おまとめローンは、提供している金融機関によっても審査基準や融資条件、金利等が異なります。通常、返済負担を軽減させることがおまとめローン利用の目的です。しかし、審査基準が厳しくて利用できなかったり、利用できても融資条件が厳しくなっておまとめ前よりも総返済額が増えてしまったりするケースもあります。

そのような事態をできるだけ避けるためには、ランキングを参考におまとめローンを選んでみるのもいいでしょう。日本最大級のローンポータルサイト「イー・ローン」では、掲載されているローンをランキングとして発表しています。自分にとって最適なローンを選ぶためにもイー・ローンのランキングを参考にしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

現在返済中のローンが複数あり、返済の管理や返済額に負担を感じている場合には、おまとめローンの利用を検討してみたいものです。複数のローンを1つにまとめることで、返済管理が楽になります。ただし、複数のローンをまとめる場合、借入金額が大きくなるのが通常です。借入金額が大きくなるほど審査が厳しくなる傾向があり、また融資条件が厳しくなって現在よりも返済額が上がる可能性もあります。さまざまな金融機関の借り入れ条件や貸付金利等をしっかり比較して、自分に最適なローンを選ぶようにしましょう。

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文/續 恵美子