同じ映画も、違って見える?
「新春くらいは映画館で映画を観たい!」
それは、自宅テレビのチャンネル権ですら、嫁さん>息子>節電>>>(超えられないカベ)>>>>私、という家庭内カーストの最下層にいる身にしてみると、まさにちょい上の贅沢。いわばプチ初夢である。
とはいえ、都内の映画館は混んでいることが多いし、映画に集中できなかったりすることがあるのがどうにもな…。
なんつってダダをこねていたら「1席5,000円の高級シートで映画鑑賞できる映画館がある」との情報を得て編集者Hとともに、新宿ピカデリーへとはせ参じた次第。
が、その映画館には、1席5,000円のさらにその上、「ペアで30,000円」という“もうちょい上”のプラチナルームなる個室が存在していたのだった。なにそれ、やだ、青い体験したい! というわけで、後編でございます。
「はいキタ、コレ!」
2人で30,000円で利用できる個室「プラチナルーム」は、さらにVIPな通路が用意されているのです。それにしても「個室」って、なぜか笑みがこぼれる響きですよね。
「こちらへどうぞ」
おお。もちろん、コンシェルジュ的なスタッフの方に奥まで案内される。しかし、この画面だけみると、映画館というよりホテルです。
案内されたのは、やわらかな間接照明とデラックスなソファで飾られた個室。実にデラックス。これが、噂のプラチナルームか!
「いえ。違います。ここはプラチナルーム利用者専用のリラクゼーションルームなんですよ」と言うのは、新宿ピカデリーのマネージャー安藤詞貴さん。
「ぽつねん…」
と座っているのが、そのリラクゼーションルーム。なんとこの部屋、上映開始1時間前をリラックスして過ごすためだけに用意された実にVIPな待合室なのですと。
待合室とは思えぬ贅沢さに浸っていると、再び高級なシャンパンと上品なお菓子に加え、ケーキまで運ばれてきた。当然、これも30,000円の料金に含まれているという。さらに渡されたメニューがすごかった。ドンペリ(100,000円)にキャビア(15,000円)って。本気で銀座のクラブに迷い込んでしまったのか?と思うようなリッチなメニューが並んでいるではないか。
「映画の前に、ゆっくりお酒やお食事を楽しんで、それから映画を観るということもできます」(安藤さん)
なるほど。いずれにしても、庶民の私には未知の味。興味は湧いたが、経費が落ちないということで、味見は断念した。ぐぬぬ…。あれ、それにしても、この5,000円もするコーヒーって?
「世界三大コーヒーのひとつ『コピ・ルアク』ですね。インドネシアの島に生息するジャコウネコから未消化のまま排泄された珈琲豆を集めて高温焙煎して作られたコーヒーで、独特の深い香りが特徴です。稀少価値から世界一高価な珈琲と言われて古くはクレオパトラが愛飲したとも伝えられているんですよ」(安藤さん)
まさに未知との遭遇である。映画を観る前から、発見と冒険の旅である。こんなの銀座のクラブですら飲めないもの。
「というわけで…」
すでにヒートアップする自分に冷静さを取り戻させるため、前回に引き続き、オシボリで顔を拭いてみました。
「そして、いっぱい、やっか?」
オシボリからのシャンパンもやっておいた。
「では、プラチナルームにご案内します」
との声に従い、いよいよペア30,000円のプラチナルームへ。再びスクリーンのある館内に入る。通されたのは、完全にプライバシーが守られた2階席のバルコニースペースだった。
おお、コレがプラチナルームか!
「なに、この大富豪のリビングルーム」
広い。我が家の狭い書斎より広い。ゴージャス過ぎて、軽く緊張するわ。
さらにソファーに身を沈め、眼下のスクリーンを眺めると――。
ヤバい。この眺めはすごすぎる!
「スクリーンを望むと、こんな感じです」
まるでヨーロッパのオペラハウスみたいです。もちろん、オペラハウスはおろか、ヨーロッパにすら、行ったことはありません。
ソファーはプラチナシート同様、イタリアのカッシーナ社製で、名作ソファーと名高い「ポルトヴェーネレ」と言うらしい。足を伸ばして映画を観られるオットマンに、飲み物を置けるサイドテーブルとライト。そして、プラチナルーム専用のサラウンドスピーカーまで設置されている。
なんというか、リッチな自宅のリビングに座りながら、巨大な映画館のスクリーンを「借景」する。そんな、得も言われぬ贅沢感が味わえるというわけだ。
それにしても、こんな贅沢な空間を利用する人って、どんな人なんだ?
「ここだけの話ですが、著名人の方がお忍びで来られたりするんです。歌手の大御所の方やプロ野球選手、テレビによく出る有名社長、お笑い芸人の方など。プライバシーが守られるので、安心して映画を楽しんでいただけます」(安藤さん)
なるほど。確かにプラチナルームなら他のお客さんに顔が見られることもない。もちろん、嫁さんにも、だ。なるほどなるほど……。
「これはお忍びで嫁さん以外の女性を誘うしかないな…」と、心に決めた編集者Hであった。念を押すが、そう思ったのはHであって、決して私ではない。
「そろそろ映画が始まりますよ」というHの声にかき消され、この日の上映作品『悪の経典』がスタートした。
三池崇史監督、伊藤英明主演の話題作である。よりによって戦慄エンターテインメントである。それにしても、快適なソファーに体を預けると、大迫力の音響が耳を刺激する。と共にスクリーンの映像がベストポジションで目に入ってくる。いい。ハンパなくいい!
「ぐいぐいと映画に引きこまれていく私」
リラックスして映画に引き込まれていく自分がいる。これまで味わったことのない感覚に、スクリーンに釘付けになってきましたよ。
「どんどんとリラックスしていく私」
オットマンを使えば、こんな楽々スタイルで、スクリーンに臨めます。いやあ、極楽極楽…。
「リラックスしすぎて………ぐう。」
「………(むにゃむにゃ。もう食べられないよ~)」
上映終了。あっという間に時が過ぎ去ったのは、映画のおもしろさのみならず、プラチナルームの居心地が良すぎたのと、シャンパンがおいしすぎたからだ(寝ちゃった)。
いずれにしても、プラチナルームの素晴らしさは十分体感できた。夢のような時を過ごせた。実際、夢も見た。
あとがき
映画館のプラチナシートとプラチナルーム体験。そもそも、ワンランク上の気分で映画を鑑賞できること自体、驚きだった。大きなお世話だが、もっと宣伝するべきだろう。2つのプラチナ待遇での映画鑑賞も大満足。リラックスできるところもいいが、完全にプライバシーが守られるのもいい。やはり、誕生日や記念日などに、こっそりとデートに利用するのがオススメだ。いやいや、私は嫁さんと行きますよ!
ライター・モモセ独断! 今回の「ちょい上」通信簿
- ちょい上度 ★★★★☆
- ちょい上の予想どおりちょい上ながら大満足
- 多少ムリしてでも試したい度 ★★★★☆
- まずは1席5,000円のプラチナシートから試したい。
- どうせ観るならこんな映画がいい度
- やっぱ『男はつらいよ』か『ロックよ静かに流れよ』でしょうね。
ちょい上コラム
~プラチナシートを買うならポイント還元率も考えよう!~
1席5,000円のプラチナシートと、ペア30,000円のプラチナルーム。彼女を驚かせるならプラチナルームのほうだが、どうせ大金を叩くのであれば、その分ポイントをこっそりためておくのが紳士のたしなみである。そんなときにはクレジットカードを上手に使ってみよう。例えば、新社会人の方におすすめなのが、「三井住友VISAデビュープラスカード」。18歳~25歳限定のデビューカードで、入会後3ヶ月はポイント5倍! 年会費無料のうえ入会特典として4,000円分のギフトカードがもらえる。頼りがいのあるカードを1枚懐に忍ばせておけば新社会人として準備万端である。
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※文/百瀬康司、企画構成/カデナクリエイト、編集/イー・ローン