買い出しも、炭火着火も、全部やってもらえるのです。
日差しが少しずつ暖かくなり、春の足音が近づいてきた。
私はこう見えてもアウトドアボーイ。
アウトドアといえばバーベキューである。
公園に出かけ、家族でバーベキューを楽しむこともしばしば。子どもが喜ぶのはもちろんだが、(何より)嫁さんのストレス解消になる。
普段は荒れがちな我が家も、平穏な日々を送れるのだ。
ただし頭を悩ます問題もあった。
バーベキューの食材を買出しに行ったり、器材の持ち込みや片付けなど実に大変。
すべて私の担当なのは言うまでもないだろう。
加えて、クルマだから大好きなお酒が飲めないのも苦痛で苦痛で…。
といっても、重たい器材を持って電車で行くわけにもいかない。
「モモセさん、そんなことで悩んでいるんですか。いまは手ぶらでバーベキューに行ける便利なサービスがあるんですよ」と編集者H。
なぬ!? 手ぶらでバーベキューができちゃうの!? まさに“ちょい上”のサービスではないか。これは体験しなきゃ損。ぜひ取材に行こう!
「やってきました。約束の公園」
というわけで、早速やってきたのは待ち合わせ場所の都内某公園。バーベキューなのに、手ぶらです。ちなみにわかりにくいのですが、ポーズで「手ブラ」を表現してみました。
広い公園の中をテクテク歩いて行くと、バーベキュー広場を発見。おー、目の前に広がるのはマリーナ。うーん、最高の眺めだ! しかも私の日頃の行ないがいいせいか、天気は快晴! 絶好のバーベキュー日和である。
「マリーナがあるなんてお洒落」
バーベキュー広場は、なんとヨットが停泊するマリーナのすぐ側にありました。それにしてもこういうヨットって誰が乗っているんですか? セレブ? タモさん?
編集者Hが予約したのは「バーべ急便」。
ちなみにこちらである。
■宅配バーベ急便: http://www.bbqbin.jp/
バーベキューの食材や器材を現地に宅配してくれるサービスらしい。
それは確かに便利だが、ちょっと不安も感じていた。
「なんせ、こんな状態である」
ぽつねん…。広いバーベキュー場に、ひとり手ぶらで佇む私。なんでしょう。この哀愁。
「まだかな~! 」
到着を待つ私(5分経過)。
「早く食べたいなあ♪」
そろそろ来るかなと待ちわびる私(10分経過)。
「……」
本当に来るのか不安になってきたところです…。
ていうか、バーベキューが楽しみで約束の時間より30分ほど早く到着したのが問題だったか。
と思っていたら、一台のワゴン車が到着した!
「こんにちは! 今日はよろしくお願いします! 」と颯爽と登場。
現れたのは、バーベ急便の東京営業所・所長の鈴木雅文さんでした。
「お約束の時間より早いですね。すぐにバーベキューの器材を設置するので、ゆっくりしていてください!」
って、そうか。配達だけでなく、準備までしてくれるのか。
鈴木さんは台車に器材を乗せ、バーベキュー広場まで運搬。
早速テーブルやバーベキューコンロを慣れた手つきで組み立てにかかった。
「おお。手際いい! 」
プロの仕事です。
完成したテーブルに食材やタレ、お皿や箸などを並べコンロができあがると、その中に木炭を組んでガスバーナーで着火。さすがプロ、ここも手早い!
「着火! 」
炭火を点けるのまでやってくれるのですよ。コレは楽!
ものの5分とかからず、あっという間に準備完了となったのだ。
「あたたか~い」
まだちょっと肌寒い。そんなときは、炭火ですよね!(しかも他人が点けてくれた)
炭が落ち着くまでの間、バーベ急便のシステムについてあれこれ話を聞いた。
食材や器材の配達は場所を指定すればどこでも来てもらえるのか?
「東京を中心とした東日本エリア、大阪を中心とした西日本エリアともに、指定のバーベキューサイト、公園、広場、河川敷などに配達します。会社の駐車場やご家庭のお庭でもOK。火を使って問題ない場所であればどこでもお伺いしますよ」
現地に手ぶらで行けるだけでも嬉しいのに、器材の設置までしてもらえるのはかなり楽チン。バーベキュー初心者にとっては手軽で安心だろう。
「開始時間をお伝えいただければ、その時間に食べられるように炭をおこしてお待ちしています。手ぶらで現地に来たら、すぐにバーベキューを楽しむことができるわけです。終了後は面倒な片付けも私たちが。時間は最大3時間ですね。そして器材を撤去して回収します」
食材は焼き肉セット、ホルモンセットなど6つのバリエーションがあって1セット5人前で9,900円。そのほか、焼きおにぎりや焼きそばなど豊富なメニューもある。もちろん、アルコールもあって缶ビールに缶チューハイ、生ビール(サーバー無料レンタル)が揃っている。
器材はバーベキューコンロ1台3,150円、テーブル1台1,050円、木炭6キロ1箱(着火・消火付き)1,785円などなど、といった具合。
配達条件は食材費2万円(税抜き)以上からとなっている。加えて配達費に3,150円がかかる。でも、その料金で器材の設置や回収もしてもらえるのだから、ちょい上というか、相当便利でお得である。
「ちなみにコレで2万数千円のセットです」
焼き肉はこれで5人前ですからね。1人5,000円くらい。
ところで利用者層は?
「バーベキュー人口は増え続けているので、お客さんの層は幅広いですね。多いのは友人や会社の仲間、ご近所さんなどが集まって利用されるケース。手ぶらで帰れるため、バーベキューの後にそのまま二次会に行くことも可能です」
女子会や合コンに利用する人も少なくないとか。
「女子会の場合は、女性だけだとバーベキューをやるのは難しい。それが、準備や片付けをしてもらえば女性でも手軽にできるわけです。合コンは一緒にバーベキューをやって盛り上がろうというノリでしょう。男性の方が予約されて準備が整ったものの、女性たちが来なくて結局男性3人だけのバーベキューになってしまった悲惨な例もありますが(笑)」
「それはキツいですねえ(笑)」
と談笑しながらも、いままさにそれ以上に物悲しげな、編集者Hを入れて、わずか男2人だけのバーベキューが始まろうとしているわけですが。
なんて話し込んでいるうちに、ちょうど炭がいい具合になってきた。
「あ、そろそろいけますね。いきますか」と鈴木さん。
いよいよ――と、その前に、持ち込んだ、ビールをひと口……。
「わー、なんの作業もしていないのにビールが旨い!」
では、お肉をジューと焼かせていただきます!(次回へ続く)